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2020.08.19更新

 

暑い日が続きます。じわじわとコロナウイルスの重症者の数が増えて来ていて、油断ならない状態も続いています。

 

そんななか、おかげさまで当院のオンライン診療もうまく活用していただく方が増えている様子です。

 

何でもがオンラインの時代になっていく予感もしますよね。ただ、セキュリティの問題からか公の機関ではまだオンライン会議とかは進んでいない部分もあるようです。

アレルギー委員会

 

7月に江東区役所で開催される筈だった「江東区立学校アレルギー疾患対策委員会」も、書面での承認のみで、リアルな会も、オンライン会議もありませんでした。もう10年以上、この委員会の会長あるいは副会長を勤めてきましたが、これは初めてのことです。 

 

当院では毎週火曜日には食物負荷試験を受け付けています。例年だと夏休みは負荷試験が多いのですが、今年はまばらです。

小児科半減

 

 

 

心配になっているのは、コロナによる受診控えで、食物アレルギーのお子さんたちの治療が滞っていないかという点です。

現在、食物アレルギーの治療の中心的な考え方は「食べて治す」です。症状を起こさないレベルの原因食品をとり続けることで「慣れ」を生じさせて治すやり方なのです。
何を習うのも同じですが、年齢の小さい方が治りやすいとされています。

 

原因となる食物によって、早く治るか、遅く治るかの差はもちろん存在しますが、早く始めるに超したことはありません。

 

問題なのは、どの食物も小学校に入るぐらいになると治りにくくなることなのです。代表的な食物として、卵の場合小学校に入るまでに3分の2ぐらいの患者さんが治りますが、その後治っていくのは少数派なのです。

 

もちろん大きくなってしまったからと言ってあきらめる必要は無いのですが、小さなお子さんの食物アレルギー治療が滞るのはお勧め出来ません。

食物を食べて治すには血液検査だけでなく、必要なら食物負荷試験をしてでもどの程度までなら食べて大丈夫かを決め安全にやりたいものです。

当院では、積極的に血液検査、食物負荷試験もしています。
まずはオンラインの相談でも受け付けています。

 

 

2020.08.10更新

 

昔は医局人事というのがあって、私は多くの病院を転勤させられました。

山梨の日赤病院にいった時です。患者さんのと話して、

私「具合はどうですか?」


お母さん「昨日の晩はすごくシャブリまして眠れませんでした。」


私「おしゃぶりで眠れないとは大変ですね。」
(何をしゃぶっていたんだろうか???)


お母さん「本当に大変でした」(このドクターなんか分かってない???)

 

と話している内に、おかしいと気づいたのですが、「しゃぶる」とはそこの言葉で「咳き込む」ということだったのです。

コミュニケーションをとるのに、言葉の定義が全く違っていたのでは通じる筈がありません。

 

河口湖

 

 

さて、言葉の定義が違うといえば、「感染をおさえこめ派」と「経済活動優先派」で使っているPCR検査という言葉があるようです。
PCR検査の拡充が必要という点では一致している筈ですが、どうもかみ合わない時があります。

何を目的とした検査かを整理して議論が必要だと思うのです。

 

PCR検査の目的については


1. 患者さんの診断するため。早期診断、早期治療のために必要です


2. 周りの人へ広がるのを防ぐため。検査して、陽性なら隔離することで感染拡大を防ぐことができます。

 

3. 社会経済活動の維持のため。イベントや渡航などの目的で無症状でもやる検査とか、心配だからやっておきたいという人の検査


4. 政策立案のため。どのくらいの感染の広がりがあるかを調査する目的の検査

 

の4つが考えられます。 
で、医学的な優先順位当然1と2が重視されるべきでしょうが、経済からみると2と3が重要になってくるのでしょう。

 

医学的には1から順にPCR検査数を増やしていく必要があるのですが、実際には検査の検体を扱う施設のハードルが高く設定されているとか、保健所が対応しきれないなどで、なかなか増えないのが現状です。

 

最近、世田谷区の区長が何度でもどんどんやると言っていますが、PCR検査が万能ではないいまどうなるのでしょうか?

 

 

世田谷区PCR

 

 

 

2020.08.05更新

 

最近、コロナ感染の広がり方として、「ランチで感染」というのが増えてきているとのことです。
飲酒を伴う会食というのがキーワードになったため、ランチでは安心してしまう方がいらっしゃるようですね。気をつけたい所です。

 

ランチ1 

ママ友ランチで2家族に感染が広がったという話です。

ひまつ

 

https://youtu.be/Hr2eYsV5MxU

 

コロナウイルスの感染は飛沫感染、接触感染以外にもマイクロ飛沫感染というのがあるので、マスクをとっての会話には危険が伴うのだと考えられます。
まさか、縦2メートルのテーブルをつかいソーシャルディスタンスとるレストランはありませんよね。

ランチ感染

 


換気の良いお店で、かつ食事中は話をしない。食べ終わったらマスクをつけて会話するということです。ただ、マスクをしていても距離が近い場合が多いでしょうからメガネなど目の保護もできればした方がよいし、時間もあまり長いのは好ましくありません。

 

ソーシャルテーブル

 

フランスのフランスのデザイナー Christophe Gernigonさんのアイデアで生まれたダイニングセットだとか。

いろいろと工夫がされて、うまい形が見えてくるのかも知れませんね。

 

2020.08.03更新

世の中は、どうも死亡率の比較から新型コロナウイルスはインフルエンザより怖くないという人がいる一方で、罹患した若者が軽症にも関わらず退院後も多くの後遺症に悩むといったことも言われしっかり自粛している人もいるようです。

 

でも、やはり違う病気を重症化率や死亡率で単純に比較するのは無理のある話かなと思います。
たとえばインフルエンザは罹っても今回の新型コロナウイルスのように全身の血管に炎症をおこしたりしません。

 

「感染対策重視派」と「心配しなくて大丈夫、経済回せ派」の溝はいっそう深くなりそうで怖いです。

 

ozaki

 

https://youtu.be/5L3ilEBsG50

 

そんな中で、東京都医師会の尾崎治夫先生が先週会見を開いて、コロナの流行拡大に大きな危機感を表明しました。

その中で、エピセンターを中心に積極的にPCR検査をすることなど、かなり具体的な方策を盛り込んだ会見でした。
また同時に、臨時国会を開き、コロナ対策をとりやすくするように特別措置法の改正を含めた議論をすべきだという主張もしています。

さて、どうなりますでしょうか?

2020.07.28更新

GO TOキャンペーンも行われ、経済と感染拡大防止の間の舵取りはいよいよ難しくなっている感じがしています。


その中で気になるのは、感染症や疫学などいわゆる専門家と言われる人たち以外の人が数字を使って斬新な理論を持ち出していることです。

大阪モデルに採用されているK値とか、とても科学的とは言えない理論でしょう。

ずっと昔からパニックの時には、現状で苦しんでいる人がすがりたくなるようなデマが飛び交う物です。

 

楽観論はだめ

 

 

とくに「コロナウイルスは弱毒化している」とか「ただの風邪」といった話は疑わしそうです。
国立国際医療センターの忽那先生の記事にもあるように

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200726-00189953/

 

 

・第1波のときよりも軽症例を含めて診断されている
・ハイリスク患者が重症化するのはこれから
・治療法が確立してきている

 

 

だろうと私も思います。

まだまだ、油断はなりません。
 

2020.07.27更新

このコロナの外出自粛で私的に良かったことのひとつは、youtubeで聞ける落語がすごく増えていることです。

もともと、中学の頃から落語を聞くのは好きだったんですが、古今亭志ん朝さんをはじめとしていろいろな方の古典落語を聞きました。

そして、我が家の今年中学1年の末っ子とはいつも寝る前に落語のCDやyoutubeを一緒に聞いていました。

おかげで、最近は親の小言に絶妙な切り返しをするようになり思わず笑ってしまいます。

最近の私の好きな落語は立川志の輔さん、柳家喬太郎さんとかの新作落語、また立川談笑さんも大好きな落語家さんです。古典の「こんにゃく問答」を「シシカバブ問答」へ、「百川」を「叙々苑」へと新作への改作も得意で、ハチャメチャな感じがするところも私が気に入っている点です。
ちなみにこの談笑さん、江東区砂町出身です。

「叙々苑」 https://www.youtube.com/watch?v=zeZFK4dnKb0&t=1359s

談笑

 

ただし、落語はお子さんにはちょっと聞かせられないような内容も多いですよね。艶っぽい話も多いですし。
 
そこで、お勧めは桂文我さんの「こども落語」のシリーズに大変お世話になりました。時そば、そばせい、まんじゅう怖い、地獄八景など古典で有名な話は繰り返し聞いていました。お子さんと聞いてみると新しい発見があるかも知れません。

たぬきの入学式

https://www.youtube.com/watch?v=6uPG06cy7sc&t=9s

 

古いものを下敷きに、新しいアレンジ、発見がある点が落語の魅力なのかも知れません。

2020.07.21更新

先日は町田市医師会主催のオンライン講習会に参加させていただきました。

講師は国際医療研究センター 国際感染症センターでコロナウイルス患者さんと実際に闘っていらっしゃる忽那賢志先生です。忙しい中、このような講演会をしていただけて、忽那先生には本当に頭が下がります。

世の中コロナに関する情報があふれる中でいろいろ知識の整理、確認ができる良い機会でした。


今回は新型コロナウイルスはどのぐらいの期間他人に感染させるのかについてです。

 

潜伏期

 

 感染期間

 

 

 

うつる時期 

 

 

 

インフルエンザは発症してからの方が、ウイルス量が多くなるので周りの人も注意しやすいといえます。一方でコロナは発症前の無症状のときが一番感染性が高いというのがイヤらしいところですね。

 

今、この無症候感染者から感染している人が45%をしめるというのが話題になっています。

 

元気に見えても、これから発症するかどうかは誰にもわからないのですから、みんながうつらない、うつさないことを注意する必要があるのです。

2020.07.15更新

まだまだ東京を中心として感染者がくすぶっている状態です。保育園でもクラスターらしき集団感染がでて、小児科医としては大変に心配して見ています。

さて、そんな中でまたコロナの抗体検査にまつわるニュースが出てきています。新宿の演劇のクラスターでは、抗体陰性だからという理由で感染が広がったとか、大阪では公費をつかって抗体検査をするとか。

 

大阪goto新宿

 

以前のブログ(6月19日と22日)にも抗体検査について書いたことがあります。

でも私のブログを読んでくれる少数の方には(たまにブログ読んでますと言われると嬉しいです)もう一回説明させていただきたくなりました。

結論から言います。抗体検査はお勧めしません。理由を書きます。

陰性の場合 
1.罹ってない 
2.罹っているけどまだ抗体が出来ていない。
3.過去に罹ったけど抗体が消失した
4.偽陰性

 

陽性の場合
1.偽陽性(今の流行状況では半分ぐらいの確率で偽陽性)
2.過去に罹って治っている
3.現在罹っていて抗体は出来たけど治っていない。他の人に感染させる可能性があるので、さらにPCRや2週間程度の隔離が必要である。

ということになります。

ということは、陰性でも、陽性でも感染している可能性があると言うことです。

また、現在の流行状況からは偽陽性がでる可能性が高く、無駄に大騒ぎする必要があります。


もし、検査の誤りで陽性と出てしまったら、PCRの検査を受けなくてはならず、家族全員自宅待機2週間とかになったら目も当てられません。

あくまで、抗体検査は感染の広がりを知る研究目的と考えた方が良いです。

 

社員に安心を

 

 

私は以前、国立小児病院のアレルギー科に勤務していたときに、重症のアトピー性皮膚炎の患者さん相手にさまざまな詐欺的アトピー商法があるのを知りました。
せめて、私のブログを読んでくれる方には、コロナ商法に引っかからないように願っています。

 

コロナ検査

2020.07.12更新

 

先日、ZOZOマットという足の形を計測して、通販でも足形にぴったりの靴が見つかるというのをやってみました。

 

足形


元々、甲高幅広の足のためいつも靴選びには苦労して来ましたので、この3D計測でぴったりの靴が見つかり通販で買える時代になったと喜んでトライしました。
実際の計測結果はある程度予測した通りでした。残念ながらシュッとしたスタイリッシュな靴は私には縁がないようです。


このシステムは、その計測値からZOZOタウンでフィットする靴を選んでくれると言うものです。


でも、選んでくれた靴はいつも選んでいるサイズよりはるかに大きく、いつもは26.5センチの靴を選んでいるのに、27.5センチとかを推薦されてしまいました。心理的抵抗感からやはりお店で試着してみないと買えないジャンって結論になりました。


実店舗で、かつフィッターさんのいる店なら安心できるのにと思います。おそらくこんな考え方は古いのかも知れません。将来は足形に合わせて人工知能がテーラーメイドしてくれるのでしょうが、私はそれまで待たなければいけないようです。

 


食物アレルギーの治療も似たようなことがあると、日々思っています。確かに最近では食物に対するIgE抗体を測るのは何処でもやろうと思えばできる世の中です


しかしながら、その検査の結果の正しい理解、解釈をして実際の指導をするのは生身のドクターです。症状に個人差の大きい食物アレルギーでは、その指導も画一的にはしにくいのが現状です。


当院では、市販の食物にどの程度アレルゲンが含まれているかを測定した表を利用して相談させていただいています。

 

アレルゲン

 

 


靴を買うのに熟練のフィッターさんが頼りになるように、食物アレルギーでも一人一人にベストなテーラーメイドの治療を提供できるようにしなければと思う日々です。

 

 

2020.07.06更新

また、新型コロナの新規感染者数がとくに東京で増えていますね。この長いトンネルのなかで私たちがどのあたりにいるのか見えないですね。

 

タモリさんと山中伸弥教授がでている7月4日のNHKスペシャルでを見ていたら、、コロナウイルスを中和できる抗体の薬も臨床試験が進んでいる話もでていて、期待できそうに思いました。もしかしたら光が見えかけているのかも知れませんね。

NHKスペ

 

さて、その同じ番組のなかでも、日本は欧米に比べてコロナの患者数、死者数ともに少ないという謎 ーファクターXー についても触れていました。

 

超個人的に言わせてもらえば、日本の被害が少なめななのは、日本人の衛生観念、生活習慣、そして医療制度、医療レベルの高さも大いに関係していると思うのですが、やはり一番には専門家委員会のクラスター対策班の活躍、なかでも西浦教授の数理モデルが最大の効果があったのではと思ってます。

 

 

そのほかでは番組中でやっていたHLA型が人種、民族で違うのでコロナに対する免疫力が違ったという説は、なるほどと納得させるものがあったように感じました。

その国、その国、地域、地域で大昔から流行する病気が違い、そこに生きている人たちは昔その地域で大流行した病気には罹りにくいと言うのは説得力があると思います。

 

 

以前、読んだ「寄生虫なき病」という本の中でこんな話がありました。
イタリアにあるサルデーニャ島は昔はマラリアが大流行する島でした。そこに住む住民はマラリアに強く、攻め込んできたナポレオン軍はマラリアに弱かったために征服をあきらめたということです。

この話には続きがあります。
その後、ロックフェラー財団がマラリアの原因になる蚊を世界的に退治したあとこの島でもマラリアはいなくなり、その代わりに多発性硬化症という自己免疫疾患にかかる人が大変多くなったと言うのです。寄生虫がいなくなることで、自己免疫疾患になると言うのは皮肉ですね。

 

NHKスペシャルの中でも、ウイルスはからなずしも悪さだけでなく人類の進化にも役にたっていて、人間のDNAの8%がウイルスからもらったものと言っていました。

 

ウイルス

 

長い歴史の中では病気を起こす細菌、ウイルス、寄生虫いずれも人類にとって悪い面のみならず、共生するなかで良い影響もあるものと考えられるようです。

今回のコロナウイルスと私たちはどう折り合いがつけられるのでしょうか。

 

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