11月から小学校2年生までのインフルエンザワクチン助成がはじまり、多くのお子さんに来ていただいている状況です。
「全集中」「ワクチンの呼吸その壱の型」をしていただいて、泣かずに済む子や、やはり我慢できずに泣いてしまう子など様々です。でも、毎年やっているお子さんで前年よりずっと強くなっている子をみると「あー成長してるんだなー」と嬉しくなります。
とても怖いと思っているものが、やってみるとそんなに大したことでは無かったなと乗り越える経験は、子どもにとっていい面もあるように思います。
さて、10月には新潟で行われた第61回臨床ウイルス学会に参加しました。といってもオンラインでの参加ですので、実際には新潟の美味しい物は食べられませんでしたが。
で、その中でもやはり大きなトピックはコロナウイルスです。印象に残ったのは、最近では接触感染よりも、空気感染を含む飛沫感染というルートを気をつけるべきと言う発表でした。
一般的に飛沫感染というと、咳、くしゃみなどが空中に跳んで長くても2メートルぐらいの範囲に落ちる。その飛沫が粘膜について感染するという理解かと思います。
国立病院機構仙台医療センター・西村秀一先生はクラスターの発生は「接触感染」の要素よりも「空気感染」の方が重要という発表をされていました。
咳とかくしゃみから発生する水滴の粒子は、すぐに落ちてしまう大きな粒子からふわふわと空中に数時間漂い続ける小さな粒子まで様々な大きさがあります。ふわふわ浮く小さい粒子をエアロゾルと言うそうで、学術的にはマイクロ飛沫という言葉はないそうです。
最近、こういった小さな粒子(エアロゾル)の中には活性のあるウイルスが含まれることが分かってきているとのことです。マイクロ飛沫というイメージよりより長時間、気流にのって比較的長い距離跳ぶそうです。
なるほど、合唱団などでかなり距離の離れた人同士の感染が起こるのもこの理屈で納得です。また、中国のレストランで気流にそって感染が広がったのも、空気感染だからでしょう。
エアロゾルのリスクを下げるのは一番に「換気」です。
私たちにできるのは「3密を避けること」ですが、なかでも換気の重要性はこれからの季節いっそう重要になってくると思われます。
寒くなりますが、頑張りましょう。