ブログ

2021.03.25更新

 

今度こそ、桜です。満開になりましたね。

 

さくら2021


気持ちが浮き立つような季節になって来たわけですが、変異ウイルスが増え小児にも広がるとの懸念もでてきました。

 


では、小児でどのような症状があるとコロナのPCR検査が陽性になりやすいのでしょうか。それを検討した論文がカナダから出ていました。

 

2020年4月から9月までで、なんらかの症状があるか、接触が疑われPCR検査を行った18才未満のお子さん2463人を対象にしています。そのうち、1987例(平均年齢9.3才)が陽性でした。

そのなかで、714 例(35.9%)は無症状です。

 

どんな症状があるとPCR検査が陽性になるのでしょうか?

それをこの論文では求めていて、
陽性尤度比(ゆうどひ)という数字で表しています。
言い換えると、どの症状があればコロナを疑えるかということです。
この数字が大きいほどPCR陽性になる「もっともらしさ」が大きいと考えて下さい。

 

それによると、

咳は0.96
鼻水は0.87

でした。

この数字が1以上で大きいほど、その症状からコロナが疑えるのですが、この結果からは咳とか鼻水だけではコロナを疑う条件にはならないということです。

 

咳や鼻水がでる風邪はコロナ以外でも沢山あるので、当たり前ですね。

 

一方で、他の症状でいうと、

 

味覚異常、嗅覚異常で7.33 
嘔気、嘔吐で5.11
頭痛で2.49
発熱で1.68

 

味覚、嗅覚異常、嘔気、嘔吐、頭痛をすべてがあると65.92でした。

さすがに全部そろえば当たるって訳です。

 

 

反対にこれらの症状はどれも頻度は低いので、これらの症状の一つ一つが無いからと言ってコロナではなさそうなどとは言えません。

 

この論文から分かったのは、やはり、これらの症状と接触歴などを合わせて総合的に診断するのが良さそうだということです。

 

 

結論として現状では疑ったら検査するしかないのでしょう。

 

 

Symptoms associated with a positive result for a swab for SARS-CoV-2 infection among children in Alberta

https://www.cmaj.ca/content/early/2020/11/23/cmaj.202065.long

 

 

2021.03.16更新

 

もうコロナが流行し始めてほぼ1年たってしまいました。光陰矢のごとしと言いますが、イベントが少ないせいか、あっという間だったような気もします。(写真:梅が咲いていました。)

 

湯島の梅

 

時間が経ち情報が増えてきています.
小児コロナ患者の症状についての症例数を増やした論文がでてきています。

 

Epidemiological features of coronavirus disease
2019 in children: a meta-analysis

https://www.europeanreview.org/wp/wp-content/uploads/1146-1157.pdf

 

この論文は世界中から小児のコロナウイルス患者の報告1万1千671例についてのまとめです。


それによると、

 

発熱 55.8%
咳など呼吸器症状 56.8%
消化器症状 14.4%
無症状 21.1%

で、重症度は全体的に低いものの、
川崎病に似た全身性炎症症候群が6.2%

 

だったとのことです。

 


一般的には発熱と乾いた咳があるというのをイメージされることが多いと思いますが、
発熱も、咳もその割合がすくなく、下痢、嘔吐といった消化器症状が多い印象ですね。

 

一方で、接触歴などの原因があったのは85.2%だったとのことです。

 

つまり、症状から疑っても診断するのは難しく、むしろ周りで罹患しているひとがいないかの方が重要のようですね。
熱があるかどうかでは見分けるのが難しいのですね。

 

 

これまで、小児の患者の大半が家庭内での大人からの感染だと言われていますので、そういったことのほうが参考になるようです。

 

 

2021.03.03更新

 

令和3年3月3日ひな祭りです。今朝は長嶋茂雄さんがキャンプに現れたというニュースまでみてしまい、偶然とはいえ3が重なる日です。で、コロナの日本向けワクチンも3種類あるのでその話。

 

ひなだん


今回コロナワクチンはアナフィラキシーが普通のワクチンと比較して頻度が高いということで、日本アレルギー学会からその対応についての指針が3月1日付けで発表されました。
それによると、一般的なワクチンではアナフィラキシーの頻度は1.3/100万接種とされていますが、ファイザー製が5-11.1/100万接種、モデルナ製が2.5-2.8/100万接種ですから、やはり多い印象です。アストラ製はまだ大規模なデータが出ていません。

 

現時点ですべての新型コロナワクチンによるアナフィラキシーは適切な対処により回復しているということです。

 

今回のワクチンが出来ない人として、過去にアナフィラキシーを経験した人はダメという印象の報道があったりしましたが、実際には「ワクチンに含まれる成分に対する重度のアレルギーのある人」です。

 

では、どんな成分が含まれていて問題なのでしょうか。
このワクチンにはこれまでのワクチンに含まれていたアジュバントや保存剤は含まれていません。
ファイザーやモデルナのmRNAワクチンは、mRNAが脂質ナノ分子というものに封入され、それを水溶性にするためにポリエチレングリコール(PEG)が使用されています。

 

PEGはマクロゴールとも呼ばれ様々な食品に乳化剤として含まれ、食品としての安全性は確認されています。また、化粧品や、軟膏にも広く用いられています。
お子さんの便秘に使われるモビコールという内服薬はまさにこのPEGそのものです。
大変に広く使用されているものですが、アナフィラキシーの報告は非常に限られているようです。

 

今の時点ではこのPEGがアナフィラキシーの原因かはまだ不明な点もありますが、危険な成分とは言えないと思います。

 

 

お子さまの症状でお悩みの方は、気軽にお問い合わせください

丁寧にお話を伺い、患者さん一人ひとりのストーリーを大切に、最善の治療法を探してまいります

  • 03-5653-0708
  • メールでのお問い合わせ
  • 03-5653-0708.png
  • メールでのお問い合わせ