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2020.06.30更新

アメリカではコロナの感染の勢いが収まらない中、デモや大統領選挙の集会など普通に行われている様子ですが他国のことながら心配になってしまいます。
国民の危機意識に違いがあるんですかね。

 

窓から

 

今、熱がつづいたりすると、コロナの感染が非常に気になるわけですが、同様に熱がつづく病気としてEBウイルス感染症も見かけます。

 

このEBウイルスは世界中に普遍的に存在し、ほぼ100%の方が感染するとされていますが、一般的にはあまり知られていません。
なぜなら、ほとんどの方が感染しても症状がなく経過し(不顕性感染)するからです。

 

このEBウイルスによる伝染性単核球症というのはは決して珍しい病気ではありません。しかし、まれには血球貪食性リンパ組織球症(HLH)とかバーキットリンパ腫などいろいろな病気になるのです。

 

症状としては、熱が続く、咽頭痛、体のだるさ、扁桃が赤くなったり膿がつく、クビのリンパ腺が腫れる。肝臓、脾臓が腫れるといったものです。
また、特徴的な症状として、一過性に眼瞼浮腫(顔がむくんだようにみえる)といったことがあります。

 

伝染性単核球症はEBウイルスがリンパ球のB細胞に感染して、それを抑えるT細胞が過剰に増えてしまうために、血液の中ではリンパ球(単核球)の数が増加しているように見えることから名前がついています。

 

感染した人の唾液中に含まれてしまいキスでうつることもあることから、キッシングディジーズと呼ばれたりもします。でも必ずしもキスとは関係ないので、この名称はあまりふさわしくないですよね。

 

熱がつづいて、顔が浮腫んでみえることがあったら疑うべき病気です。

 

LINEの宣伝

2020.06.25更新

コロナ自粛で、仕事面、生活面の変化が大きかった方も多かったかと思います。暗い話題のなか、我が家のたまの楽しみは、ポケットマルシェとかの通販サイトで産地直送のお取り寄せです。


これまでのヒットは淡路島の新タマネギとか、島根県の鮮魚とか、有明海ののりとかです。我が家には食べ盛りの息子が2人いますので、あっという間の消費ですが。。

歩ケマル

 


鰹節、醤油をかけたタマネギのスライスはもともと大好物ですが、やはり本場のものは甘くて大いに楽しめました。普段たべない川魚のやまめの塩焼きとか、唐揚げなんかも。

田中屋鮮魚店という島根県の松江からの新鮮な刺身も印象的でした。また、体重を気にしつつも北海道の六花亭のおやつセットも頼んでしまいました。


ネットで注文して、生産者の方から遠方にも関わらずすぐ届き、改めて日本の物流のすごさに感心してしまいます。

生産者の方に食後の感想を直接つたえられるのも、ネットがつなぐ縁ということで、感慨深いです。どんどん、日本は狭くなっている感じですね。

 

さて、いろいろな地域にはその特産物がありますが、実は病気にも地域差があるものが知られています。代表的なのは日本脳炎です。

日本脳炎は日本を含む東アジア、東南アジア、インド、ネパールなどに広くみられる病気で、罹っても大半は症状が無かったり、軽い熱で終わりますが、感染者の100人から1000人に一人、脳炎症状や多臓器不全などがでて、急性期には1-3割死亡すると言われています。現在は予防接種の効果などで症例は少ないですが、特異的な治療法はありません。

 

この病気で特徴的なのは、人から人にはうつらないことです。ウイルスは主に豚が持っていてこのウイルスを持った豚を蚊が刺し、その蚊が飛んできて人を刺すと感染してしまうのです。

 

日本脳炎ウイルスをもった豚はどちらかというと九州、中国、四国地方に多く以前から患者さんも同じような地域に多かったのです。そんなわけで、以前は北海道ではワクチンは推奨すらされていませんでした。

 

でも、2015年には千葉でも乳児の患者さんが報告され、地域差もなくなって来ているようです。
これも日本がいろんな意味で狭くなっているからでしょうか。それとも他国からの旅行者が多くなっているからでしょうか。

 

いずれにせよ、そろそろ蚊の出る季節。気をつけたい病気ですね。

 

日本脳炎

2020.06.22更新

緊急事態宣言が解除されて、街の様子もだいぶ以前の感じに近くなってきています。

プロ野球、女子ゴルフは始まったとはいえ、無観客。母校の開成学園の話では今年は運動会につづきフンドシ締めて泳ぐ水泳学校も中止となったようです。


残念でなりません。あの運動会の棒倒しは開成の卒業生の最大の共通する思い出となるものなのです。卒業生同士が出会うと必ず、運動会は何組だったの?と聞いてしまいます。(運動会は8つの組に分かれます。ちなみに私は橙組でした。)

 

ぼうたおし


経験出来ないのは、在校生にとってさぞかし悔しい出来事でしょう。でも密集の極みとも言えるので、仕方が無いですね。

 

さて、残念といえば、コロナウイルスの抗体がしばらくすると低下するという話が出てきていることです。

 

コロナグラフ

 

前回作った図を補足説明させていただきます。

①感染しているが、抗原検査、抗体検査ともに陰性
②発症し、抗原検査(PCR、抗原迅速キット)陽性、抗体検査陰性
③発症して時間が経過し、抗原検査(PCRのみ)陽性、抗体検査陽性
④回復期 抗原検査陰性。抗体検査陽性

で、本来

 

⑤では抗原陰性、抗体陽性

 

がつづくかと期待されていた訳です。

 


普通、他の病気では抗体陽性がつづくので、再び同じ病原体が体に入ってきたとき病気にならないのです。であれば、いったん抗体が陽性になれば、もうその病気にはかからず安心な訳です。

 


でも、ここに来て、中国からの研究で、無症候性感染者37名と有症状者37名の急性期・回復期それぞれの抗体価(抗体の量)を比較した報告がでてきました。(https://www.nature.com/articles/s41591-020-0965-6

そのなかで、新型コロナでは回復期(退院から8週後)には無症候性感染者の40%、有症状者の12.9%でIgG抗体が陰性になるとのことです。


つまり治ってきた頃には抗体が低下してきている可能性があると言うことです。


ということは、一回コロナに感染してもまたすぐ罹ってしまうんでしょうか。


いよいよ厄介な病気です。

2020.06.19更新

 

いよいよ、梅雨な感じの雨が降っています。

 

雨の日は室内での作業もはかどります。リモートワーク応援ということで、昔愛用していたグラフィックソフトが安くなっていたのでつい購入。Canvasというソフトなのですが、かなり万能な感じのソフトですが、圧倒的にマイナーな存在です。

つい、簡単なイラストを作ってみたくなります。


今回は、様々ある新型コロナの検査法とその結果を理解するのにちょうどよい図表がありました
ので、それをすこし簡略化してみました。

 

コロナ検査

 

 

 

大きな流れとしては、コロナウイルス(抗原)が体に侵入してしばらくして、発症、その後遅れて抗体が作られるという図式です。

どのタイミングでどの検査が陽性になるのかが分かると思います。

 

 

先日、プロ野球選手がコロナに感染というニュースがありましたが、その報道ではまず抗体検査をして、抗体陽性にでた選手にPCR検査をしたら「微陽性」とのこと。

「微陽性」って初めて聞いた気がしますが、おそらくこの赤い矢印のところのタイミングだったのではないでしょうか?

 

あるいは、もしかすると、抗体検査が偽陽性(本来は違うのに陽性の反応がでてしまうこと)だった可能性もありますが。

 

この図表から血液検査で抗体陽性であっても、必ずしも過去の感染とは言い切れないことがわかります。

検査の結果はタイミングによって、解釈が大いに変わりますのでよく理解して利用したいところです。

2020.06.19更新

 

いよいよ、梅雨な感じの雨が降っています。

 

雨の日は室内での作業もはかどります。リモートワーク応援ということで、昔愛用していたグラフィックソフトが安くなっていたのでつい購入。Canvasというソフトなのですが、かなり万能な感じのソフトですが、圧倒的にマイナーな存在です。

つい、簡単なイラストを作ってみたくなります。


今回は、様々ある新型コロナの検査法とその結果を理解するのにちょうどよい図表がありました
ので、それをすこし簡略化してみました。

 

コロナ検査

 

 

 

大きな流れとしては、コロナウイルス(抗原)が体に侵入してしばらくして、発症、その後遅れて抗体が作られるという図式です。

どのタイミングでどの検査が陽性になるのかが分かると思います。

 

 

先日、プロ野球選手がコロナに感染というニュースがありましたが、その報道ではまず抗体検査をして、抗体陽性にでた選手にPCR検査をしたら「微陽性」とのこと。

「微陽性」って初めて聞いた気がしますが、おそらくこの赤い矢印のところのタイミングだったのではないでしょうか?

 

あるいは、もしかすると、抗体検査が偽陽性(本来は違うのに陽性の反応がでてしまうこと)だった可能性もありますが。

 

この図表から血液検査で抗体陽性であっても、必ずしも過去の感染とは言い切れないことがわかります。

検査の結果はタイミングによって、解釈が大いに変わりますのでよく理解して利用したいところです。

2020.06.16更新

本日は火曜日。相変わらずコロナの影響か、はたまた学校等の感染対策が功を奏しているためか一般の外来は余裕のある状態が続いています。伝染性のある病気が減っているのは何よりで喜ぶべきことでしょう。

自然と、いつもの慢性疾患の薬の処方を求めていらっしゃる方とは世間話の時間が長くなります。コロナの影響で子どもたち、そしてリモートワークの大人たちの生活がどう変わったかをいろいろ聞く度に、なるほどなーと感心してしまいます。

人と人とのコミュニケーションの取り方が変わる中でいよいよデジタル社会への変革へついて行けるかどうかがいよいよ重要なことの1つになってしまいました。

私が初めてMac IIcxというコンピューターを買った当時はネットワークはまだ電話線にカプラーという物をつけて通信していましたから、隔世の感があります。


さて、火曜日といえば、当院では食物アレルギーの食物の経口負荷試験の予約が入る日です。
隔世の感があるといえば、この食物アレルギーの診療もです。

昔は「年齢が上がってくると自然となおるからそれまで完全に制限して待っていて」だったのが、いまは「積極的に食べさせて慣れを生じさせて治す」という時代になりました。

私が国立小児病院のアレルギー科(現:国立成育医療センター)に在籍していたのは、だいぶ昔の話になってしまいますが、その頃から、ずっとアレルギーの検査として、血液中のIgE抗体を測定するのは変わっていません。そして、その頃からそのIgEの値と実際の症状は一致しないことが分かっていました。

たとえば、卵に対するIgEの値が高くてもパクパク食べられるお子さんと、値は低くても卵の成分が少量でも入っている物を食べると激しいアレルギー反応を示すお子さんもいるのです。

 


つまり実際に食べてみるまで分からないということです。それを医療機関で行うのが「食物経口負荷試験」です。これが、食物アレルギー診断のゴールドスタンダードと呼ばれています。

もちろん、アレルギーが起こることが想定される検査ですから慎重に行わないといけません。

 

 

ぷろば

(食物アレルギーの診療の手引き2017より図引用)

 


以前は、本当にやってみないと分からないという状態だったのですが、最近では「プロバビリティーカーブ」と言って、食物負荷試験をやった場合にどのくらい症状が出現するかの確率をあらかじめ推測出来るようになったのです。 

むやみにチャレンジしたり、家で試してみるように言われるよりはずっと安全になったとも言えます。

 

でも、考えてみると、実際にやってみなければ分からない検査という意味ではいまだ原始的ともいえます。リスクもないとは言えないのです。

ですので、経験が長いとは言えリスクの高いお子さんの負荷試験はより専門性の高い病院との連携をとりながら注意深く診療しています。
まずは、ご気軽にご相談ください。

将来的には実際に負荷試験しなくても診断でき、適切な「食べて治す」治療ができるような時代が来ると良いですね。

2020.06.12更新

 

昼休み、当院は昼休みを12時から14時までいただいています。
もちろん昼食、休憩も取るのですが、園医として担当している保育園に聴診器をもって定期の診察に出かけることもしばしばです。
最近気温が上がってきて、10分ぐらい歩いて保育園に到着。もうそのときには汗ばんでいます。


世間では熱中症の方も増えているようです。今年は自粛期間のせいで暑さに慣れていないのかも知れません。

あじさい

 

私自身も気をつけないといけないと思っています。今の私を見ると信じてもらえないかとも思いますが、私は小さいとき寝ている状態から急に立ったりすると目の前が暗くなり星が見える、子どもなのに肩こりがひどく、朝はなかなか起きられず、線の細い子どもでした。

もちろん、炎天下の朝礼で校長先生の話を聞くのは大の苦手でした。そう、起立性低血圧だったのです。

父が開業していて、幸い薬があってなんとか乗り切ってはいましたが、やはりこの夏に向かう季節は元気が出なかったのを覚えています。父からは、朝はやく起き、軽く体操するとか教わりましたが、なかなか実行も難しく良くなるまでずいぶん時間がかかりました。

寝起きに三点倒立すると頭に血液が行き、肩こりが楽になるのを自己流で発見したのもその頃です。

その後、運動で体力がつき、早寝を心がけ、朝シャワーに入ったり、風呂からでるまえに冷水を下半身に掛けるなどするうちにだんだんと楽になってきました。

 

この病気、簡単にすぐ治るというものでもないし、その子その子により症状の違いが大きいように思います。じっくりやることが必要なのかもしれません。


今も、この季節になると同じような症状のお子さんがいるかと思います。焦るのは禁物ですが、薬が効果がある場合もありますので、ご相談ください。

2020.06.07更新

 

先週は、今年中学校に入った次男の入学式でした。新型コロナのおかげで入学式には父兄は同席できず。普通なら、真新しい制服に身を包んだ新入生が校門で桜をバックに写真をとるという図式が思い浮かぶ訳ですが、写真すら撮れずに終了。残念なことですが仕方ありません。

 

さて、十分な感染対策をとった上での新しい日常が始まりました。世間では学校を再開して大丈夫なのかとか、逆に休校措置すら必要が無かったとか様々な意見があり、どれが正解なのか分からない状態です。

 

小児の子ビット

小児の子ビッド2

 

小児の新型コロナウイルス感染症について分かっていることを厚生労働省の動画から抜粋しました。

 

逆に分からないこともまだまだ多いようです。

少し前になりますが、5月20日にNHKスペシャルで、コロナウイルスに関する論文5万編をAIを使って整理、分析しているという番組がありました。その分析チームに参加されているノーベル賞学者の山中伸弥教授が3つの疑問として

1.子どもは感染しにくいのか?
2,感染した子どもが他の人にうつしやすいのか?
3.重症化して川崎病様の症状がまれにでることはなぜか
を挙げられていました。

 

いずれ、もう少し確からしいことが出てくるにせよ、今は安心しすぎず、あるいは怖がりすぎず、気をつけたい所です。

2020.06.03更新

自粛が解除になっても、テレワークを続けていらっしゃる方も多いようです。
子どもが邪魔して仕事が進まないという声もあるようですね。ただ子どもにとっては、いつもより親子のふれあいが増えて嬉しい一面もあるのかも知れません。
テレワークで働く親御さんの姿をお子さんがみるのもいい学びかも知れないですね。

 

私の父は、本郷で内科の開業をしていました。住居も一緒なので、小さい頃私は大好きな父の仕事場である診察室に出たり入ったりチョロチョロするような子どもでした。さぞかし迷惑なこどもだったに違いありません。

 

優しい父であり、そして昭和の時代だから許されていたのでしょう。そんななか、「門前の小僧習わぬ経を読む」といった感じで、父の患者さんに対する姿勢などを自然に学べたのかも知れません。未だに、父が患者さんにどんな風に病気について説明していたかなどの記憶がよみがえる時があります。

 

てれめど

 

時代は変わり、オンライン診療がニュースで盛んに報じられるなか、当院でもオンライン診療を始めます。
もちろん、これまで通り対面で診察させていただくのがベストでしょうが、これまでの経験はオンライン診療でも活かせると思っています。

 

オンライン診療にはこれまで様々な規制があったのですが、この新型コロナで期間限定的に規制が取り払われ、初診でも可能になりました。新型コロナウイルスの感染が今後もどうなるか分からない中、感染拡大防止のためにも今後も重要な診察のツールになるでしょう。

オンラインはお子さんの表情、皮膚の症状なども確認でき、電話よりもずっと情報が増えます。もちろん、そこには限界もありますので、対面診療が必要な場合はまたご相談させてください。

 

当院では、皆様が日常的に使っているLINEを利用することでハードルを下げました。

まずは当院の公式LINEで友だちになって、画面下にでるメニューを試しに押してみてください。

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丁寧にお話を伺い、患者さん一人ひとりのストーリーを大切に、最善の治療法を探してまいります

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