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2020.06.16更新

本日は火曜日。相変わらずコロナの影響か、はたまた学校等の感染対策が功を奏しているためか一般の外来は余裕のある状態が続いています。伝染性のある病気が減っているのは何よりで喜ぶべきことでしょう。

自然と、いつもの慢性疾患の薬の処方を求めていらっしゃる方とは世間話の時間が長くなります。コロナの影響で子どもたち、そしてリモートワークの大人たちの生活がどう変わったかをいろいろ聞く度に、なるほどなーと感心してしまいます。

人と人とのコミュニケーションの取り方が変わる中でいよいよデジタル社会への変革へついて行けるかどうかがいよいよ重要なことの1つになってしまいました。

私が初めてMac IIcxというコンピューターを買った当時はネットワークはまだ電話線にカプラーという物をつけて通信していましたから、隔世の感があります。


さて、火曜日といえば、当院では食物アレルギーの食物の経口負荷試験の予約が入る日です。
隔世の感があるといえば、この食物アレルギーの診療もです。

昔は「年齢が上がってくると自然となおるからそれまで完全に制限して待っていて」だったのが、いまは「積極的に食べさせて慣れを生じさせて治す」という時代になりました。

私が国立小児病院のアレルギー科(現:国立成育医療センター)に在籍していたのは、だいぶ昔の話になってしまいますが、その頃から、ずっとアレルギーの検査として、血液中のIgE抗体を測定するのは変わっていません。そして、その頃からそのIgEの値と実際の症状は一致しないことが分かっていました。

たとえば、卵に対するIgEの値が高くてもパクパク食べられるお子さんと、値は低くても卵の成分が少量でも入っている物を食べると激しいアレルギー反応を示すお子さんもいるのです。

 


つまり実際に食べてみるまで分からないということです。それを医療機関で行うのが「食物経口負荷試験」です。これが、食物アレルギー診断のゴールドスタンダードと呼ばれています。

もちろん、アレルギーが起こることが想定される検査ですから慎重に行わないといけません。

 

 

ぷろば

(食物アレルギーの診療の手引き2017より図引用)

 


以前は、本当にやってみないと分からないという状態だったのですが、最近では「プロバビリティーカーブ」と言って、食物負荷試験をやった場合にどのくらい症状が出現するかの確率をあらかじめ推測出来るようになったのです。 

むやみにチャレンジしたり、家で試してみるように言われるよりはずっと安全になったとも言えます。

 

でも、考えてみると、実際にやってみなければ分からない検査という意味ではいまだ原始的ともいえます。リスクもないとは言えないのです。

ですので、経験が長いとは言えリスクの高いお子さんの負荷試験はより専門性の高い病院との連携をとりながら注意深く診療しています。
まずは、ご気軽にご相談ください。

将来的には実際に負荷試験しなくても診断でき、適切な「食べて治す」治療ができるような時代が来ると良いですね。

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丁寧にお話を伺い、患者さん一人ひとりのストーリーを大切に、最善の治療法を探してまいります

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