皆様、連日の新型コロナ報道のなか、ご心配な日々を過ごされていると思います。
保護者の皆様も普段と同じような日常生活が送れず、お子様同様ストレスを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
当院も新型コロナの影響か外来はぐっと空いている状況です。
当院では、感染対策として、以前より標準予防策つまりマスク着用、手指消毒を励行しています。
診察室は2つありますが、どちらも立ち上がるとすぐ後ろに手をあらうシンクがあります。
開業のときの設計で特に意識した点でもあります。
さて、当院は小児科ですから、皆さんも気になっている子どもの新コロナウイルスの特徴についてすこし解説させていただきます。
3月13日に小児科学会から「小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の臨床的な特徴という文書が出されました。
その中で、
・主な症状は発熱と咳で、鼻水や鼻づまりなどの上気道症状は比較的少ない。嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状も報告はあるものの特徴的ではない。咳など下気道症状が主体ですが、ゼーゼーする喘鳴の報告は少ない。
・臨床経過は報告が少なく不明確なことが多い。成人同様に3日以上の発熱を呈する例も報告されている。
・血液検査での特徴がない。
・胸部レントゲン検査や肺のCT検査では斑状のスリガラス様陰影を認めるが、呼吸不全を呈した例は少ない。
・軽症あるいは自然軽快する症例がほとんどである。
・ウイルス排泄は、症状の有無にかかわらず、鼻咽頭の他に便中からも長期に確認される。
中国における小児(0歳から18歳)の報告は全体の2.4%に過ぎず、多くは軽症に経過しているとのことです。
以上が主に伝えられています。
これらから、小児の患者は少なく、全体的には重症度も低いと考えられます。
ただし、これまで知られている成人の症状とはかなり異なった症状なのでかえって診断がつけにくいとも言えるのでしょう。
症状だけではマイコプラズマ肺炎やインフルエンザなどと区別つけられません。
また、小児の新型コロナ患者さんから成人に感染させる可能性、リスクがどのくらいあるのかは現時点では不明な点も多いです。そのあたりが、はっきりしないと休校措置をつづけるか難しいですよね。
いずれにしても、今できることはマスク、手洗い、行動の自粛しかないのでしょう。
しばらくは、つらい状況が続きますががんばりましょう。