まだまだ東京を中心として感染者がくすぶっている状態です。保育園でもクラスターらしき集団感染がでて、小児科医としては大変に心配して見ています。
さて、そんな中でまたコロナの抗体検査にまつわるニュースが出てきています。新宿の演劇のクラスターでは、抗体陰性だからという理由で感染が広がったとか、大阪では公費をつかって抗体検査をするとか。
以前のブログ(6月19日と22日)にも抗体検査について書いたことがあります。
でも私のブログを読んでくれる少数の方には(たまにブログ読んでますと言われると嬉しいです)もう一回説明させていただきたくなりました。
結論から言います。抗体検査はお勧めしません。理由を書きます。
陰性の場合
1.罹ってない
2.罹っているけどまだ抗体が出来ていない。
3.過去に罹ったけど抗体が消失した
4.偽陰性
陽性の場合
1.偽陽性(今の流行状況では半分ぐらいの確率で偽陽性)
2.過去に罹って治っている
3.現在罹っていて抗体は出来たけど治っていない。他の人に感染させる可能性があるので、さらにPCRや2週間程度の隔離が必要である。
ということになります。
ということは、陰性でも、陽性でも感染している可能性があると言うことです。
また、現在の流行状況からは偽陽性がでる可能性が高く、無駄に大騒ぎする必要があります。
もし、検査の誤りで陽性と出てしまったら、PCRの検査を受けなくてはならず、家族全員自宅待機2週間とかになったら目も当てられません。
あくまで、抗体検査は感染の広がりを知る研究目的と考えた方が良いです。
私は以前、国立小児病院のアレルギー科に勤務していたときに、重症のアトピー性皮膚炎の患者さん相手にさまざまな詐欺的アトピー商法があるのを知りました。
せめて、私のブログを読んでくれる方には、コロナ商法に引っかからないように願っています。