昔は医局人事というのがあって、私は多くの病院を転勤させられました。
山梨の日赤病院にいった時です。患者さんのと話して、
私「具合はどうですか?」
お母さん「昨日の晩はすごくシャブリまして眠れませんでした。」
私「おしゃぶりで眠れないとは大変ですね。」
(何をしゃぶっていたんだろうか???)
お母さん「本当に大変でした」(このドクターなんか分かってない???)
と話している内に、おかしいと気づいたのですが、「しゃぶる」とはそこの言葉で「咳き込む」ということだったのです。
コミュニケーションをとるのに、言葉の定義が全く違っていたのでは通じる筈がありません。
さて、言葉の定義が違うといえば、「感染をおさえこめ派」と「経済活動優先派」で使っているPCR検査という言葉があるようです。
PCR検査の拡充が必要という点では一致している筈ですが、どうもかみ合わない時があります。
何を目的とした検査かを整理して議論が必要だと思うのです。
PCR検査の目的については
1. 患者さんの診断するため。早期診断、早期治療のために必要です
2. 周りの人へ広がるのを防ぐため。検査して、陽性なら隔離することで感染拡大を防ぐことができます。
3. 社会経済活動の維持のため。イベントや渡航などの目的で無症状でもやる検査とか、心配だからやっておきたいという人の検査
4. 政策立案のため。どのくらいの感染の広がりがあるかを調査する目的の検査
の4つが考えられます。
で、医学的な優先順位当然1と2が重視されるべきでしょうが、経済からみると2と3が重要になってくるのでしょう。
医学的には1から順にPCR検査数を増やしていく必要があるのですが、実際には検査の検体を扱う施設のハードルが高く設定されているとか、保健所が対応しきれないなどで、なかなか増えないのが現状です。
最近、世田谷区の区長が何度でもどんどんやると言っていますが、PCR検査が万能ではないいまどうなるのでしょうか?