先日、NHKスペシャルの「看護師たちの限界線」という番組を見ました。東京女子医大病院のICUに勤める看護師さんたちを5ヶ月の長期密着して取材したものです。
主に2人の看護師さんに密着していましたが、まさに過激な現場で12時間労働で、その間わずかしか休憩が取れず闘っている様子を映していました。1キロ近いガスマスクをつけ、全身を予防着で覆いながらの患者さんのケアは見るだけで過酷なのが分かります。
感染対策のために、近くのホテルに一人で生活しながらずっとそのような勤務を繰り返し、そしてボーナスは半額になってしまう。
高い使命感をもっていても、これで燃え尽きない方がおかしいといえます。一人はストレス性胃潰瘍で出血し、休職。もう一人の看護師も離職の追い詰められました。
医療者にとって、病気の患者さんが快方に向かい笑顔をみせてくれることが最大の喜びになるはずです。それが、入院して最初は数日で退院できると期待しながら話していた患者さんがあれよあれよという間に悪化、そして亡くなってしまうというような状況を繰り返し経験するとかなり辛いと思います。
そんなことが、何回も、そして1年以上もずっとずっと続いているのです。
4月、そんな職場に10人の新人看護師が配属されています。希望を胸に卒業した彼らが燃え尽きること無いことを切に願わずにいられません。
この番組を見て、「もっと交代制にすればいい」とか「休職している看護師を募集したら」とか思うかも知れません。でも、大学病院にいた当院のスタッフにこの話をすると、きつくて潰れてしまいそうな現場に配置換えをされる話がでると多くの人が、「それなら退職して他に行きます」と言うとのことです。
それは当然のことに思えます。生き死にが関係する職場という意味では彼らは戦場にいく兵士のようなものなのです。病床は簡単には増やせません。使命感だけでは、このコロナは乗り切れないのです。
皆で協力してコロナの感染を止めなければ限界はくるのでしょう。