日本脳炎のワクチンが不足してご心配をおかけしています。
ワクチンの製造過程での問題で、本年4月からの出荷が停止されていて、新しく出てくるのが、12月以降になるとのことです。
日本脳炎はどんな病気でしょうか。
日本脳炎は日本脳炎ウイルスによっておこるウイルス感染症で、ヒトに重篤な急性脳炎を起こします。感染しても実際に発症するのは100人から1000人に1人と言われています。しかし急性脳炎になるとと高熱・頭痛・嘔吐・意識障害やけいれん等の症状がでて、致死率も20−40%と高く、重度の後遺症が残る割合も多いのです。
発生頻度は国立感染症研究所の報告によれば、年間で多くても日本全体で10例以下であることが多いようなので、決して多い病気ではありません。
この病気はコガタアカイエカによって媒介され、ブタ-蚊-ブタの間で感染環を形成しています。豚は感染しても症状はありませんが、ヒトにおいては、日本脳炎ウイルスに感染した100~1,000人に1人が脳炎症状を発症すると報告されています
日本脳炎ウイルスを持っているブタを刺した蚊が飛んできて、その蚊に刺されると感染しますので、ヒトーヒト感染はありません。
従って、ブタと蚊の存在がなければ感染しないのです。一般に日本脳炎ウイルスは西日本のブタに多く感染しています。
実際に以前は、北海道では日本脳炎ワクチンはほとんど打たれていませんでした。
夏の蚊の多い時期にそのような所に行く機会がある人はとくに注意が必要と言えます。
東日本では比較的稀な病気と言えるでしょうが、旅行で、西日本やアジア諸国に行ったりする可能性もあるので接種はお勧めです。
接種が遅れて接種の期間が空いてしまっても次の接種は有効で免疫はできますので、最初からやり直す必要はありません。出来る状態になったらなるべく速やかに打ちましょう。