三寒四温という感じでしょうか?寒い日もまだありますが、いよいよ花粉症で来院されるお子さんが増えて来ました。
実は私も花粉症で毎年憂鬱な春を迎えている1人ですが、最近では西洋薬に加えて漢方薬を使うことで、それほど辛くなく過ごせています。今回はそんな話です。
スギ花粉症の治療は、以前はアレルギー反応を抑える抗ヒスタミン剤やロイコトリエン剤を飲んだり、点鼻、点眼をするしかありませんでした。
最近では経口免疫療法といってスギ花粉の成分が含まれた薬を口に含んで時間をかけて慣れを生じさせる治療があり、当院でも多くの方がされています。毎日内服して、3年間と時間はかかりますが、根治的な治療法ですので、とくに重い症状の出る方にはお勧めです。
また、12才以上に限りますが花粉症でもゾレアという生物学的製剤の注射が保険適応になっています。これは2−4週に1回の注射による治療で、重症に限られます。
でもそこまで重症ではないよという方も多い訳です。そういった方は内服薬としては抗ヒスタミン剤(抗アレルギー薬とも言われます)が中心になります。最近の抗ヒスタミン剤は脳内移行が抑えられ眠気の出にくい第2世代の薬が多くなっています。小児にも使用できる薬はザイザルとかアレグラとかがありますが、大人に使用できる薬に比べると選択の範囲は限られます。
では、そういった薬で十分な効果がでない方には、どうしたら良いでしょうか?
当院では漢方薬を併用してよい結果になる方も多いです。保険も通っていますので普通に処方出来ます。漢方薬というと飲みにくい印象もあると思いますが、錠剤もありますし、粉でも飲んでくれるお子さんも沢山います。
小青竜湯という漢方が代表的な薬で、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎に適応があり多くの方に効果がありますので、第一選択とされることが多いのです。
でも、漢方薬は体質とそのときの体調(証といいます)に合わせて処方され効果を示すもので、全員に効果があるとは言えませんが、証にぴったりする薬が見つかることもあります。
個人的な経験になりますが、私の場合、他の漢方をトライしたところ、鼻づまり、目のかゆみも内服して1時間以内に止まりました。
もちろん、漢方だからといって副作用がないとは言えませんが、西洋薬が効果十分でないときは選択肢の一つとしては良いかなと考えています。