春の足音が聞こえそうな季節ですね。
最近は運動不足解消とストレス解消をかねてウオーキングが休日の楽しみです。
昨今はコロナのワクチンが国民全体にうまく打てるのかが大いに気になるところです。
当クリニックの医療従事者ですら、いつどこで接種していただけるのかも何一つ情報がないのが現状です。どうなるんでしょう?
そんなコロナのワクチンですが、比較的重篤な副作用としてアナフィラキシーと言うのが報告されています。ただし、今回のワクチンではかなり稀で、一般的な薬をのむより頻度は少ないようなので心配しすぎは必要ないかなと思っています,
また、これまで食べ物などのアナフィラキシーの経験がある方も、ワクチンの成分に対するアレルギーを持っていなければ打つことが出来ます。
私は、これまでアレルギーを専門として、食物アレルギーの食物負荷試験も行ってきましたのでアナフィラキシーはかなり多く経験しています。
アナフィラキシーというのは短時間のうちに急激におこる強いアレルギー反応です。
症状は以下の通りで、様々な臓器にわたる症状がでます。そして、アナフィラキシーが重篤になるとアナフィラキシーショックと言って命に関わる状態になるのです。
まさに、全身どこでもどんな症状でもでる可能性がありますが、一番多い症状は皮膚、粘膜の症状です。
実際に、これまで食物負荷試験をやってきて印象的だと思っているのは、1つの症状が見られるようになると本当に短時間に他の症状が現れることです。
アナフィラキシーの進行を防ぐことができる唯一の方法がエピネフリン注射(エピペン)です。これをすることで、80−90%は防ぐことがでます。まさに命綱と言えます。
それでもエピペンを処方された患者さんにとって、一番のハードルはエピペンを打つかどうか判断し、実際に行う勇気なのです。
エピペンは特別な病気をもっている場合を除きやったことによる副作用はほとんどありません。多少脈が増えたり、血圧が上昇したりするかも知れませんが、極短時間で消失します。
ですから、当院ではよくそのタイミングについてじっくりとご説明させていただいた上で、「皮膚症状ぐらいで済まなそう」で、「いつもとだいぶ違う」と思ったらすぐに使用するようにご説明しています。 処方されたら家族みんなで理解、練習しておくことも重要です。