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2020.04.03更新

最近になり新型コロナウイルスは高年齢の人だけではなく、若年層にも感染が広がりを見せています。
そんななかで、比較的安心と言われていた小児の年齢層にも重症例が報告されるようになり、保護者の方がたのご心配も更に益しているのではないでしょうか。
山梨での乳児の重症例のお子さんも大変に心配です。ただ、重症になった理由が本当に新型コロナウイルスのせいなのかなど、不明な点も多そうです。山梨乳児例

もう一度、どのくらい心配したらいいのか考えてみます。

まず、WHOによると、武漢ではPCR陽性になった人のうち18歳未満の子どもは2.4%だったそうです。
どうも小児の患者さんは少なそうな印象ではあります。
しかしながら、PCR検査はあてにならないので、今のところどのくらい感染しやすいのか、そしてどのくらい人に感染させる力があるかは不明とのことです。
https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/who-china-joint-mission-on-covid-19-final-report.pdf

以下の中国からの報告で、
中国全土の小児例2143例(確定例731例、疑い例1412例)の報告で

重症例(低酸素血症や臓器不全の所見があるもの)の割合は、
1歳未満で10.6%
1-5歳で7.3%
6-10歳で4.2%
11-15歳で4.1%
16歳以上で3.0%

と低年齢の小児に重症例の割合が多いことが確認されています。
ただし、詳細な臨床像の記載はなく、これらの数字が本当に全部コロナウイルスなのか、あるいは他のインフルエンザなどの病気が同時に感染していたかなど、不明な点もあり数字を鵜呑みにしない方が良いかと思います。

Dong Y, Mo X, Hu Y, et.al., Epidemiological Characteristics of 2143 Pediatric Patients With 2019 Coronavirus Disease in China. Pediatrics. 2020 Mar 16. pii: e20200702.
https://pediatrics.aappublications.org/content/pediatrics/early/2020/03/16/peds.2020-0702.full.pdf

また、小児の例はほとんどが家族からの感染ということも言われています。
逆に小児が他の人にどの程度うつしてしまうかも分かっていませんが、保育園などで大きなクラスター感染がおこったという話は聞かないのでおそらく感染力は弱いのかもしれません。

以上からは、やはり大人と比べると重症化することは少なそうな印象ですが、保護者の方が外から持ち込まないように注意すること、そして少しでも風邪の症状があれば家庭内でも気をつけておくのに超したことはないようですね。

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