インフルエンザワクチン 注射か経鼻か
今シーズンも、当院では注射のインフルエンザワクチンに加えて、鼻にスプレーするタイプの「フルミスト」をご用意しています。「痛くないなら鼻がいい」というお子さんも多い一方で、お子さんによっては注射のほうが適している場合もあります。どちらを選んでいただくか迷われることが多いので、ちがいをまとめました。
2つのワクチンのちがい
| 注射のワクチン | フルミスト(点鼻) | |
| 受け方 | 腕に注射します | 左右の鼻に1回ずつスプレーします |
| 痛み | 針の痛みがあります | 針を使わないので痛みはありません |
| 受けられる年齢 | 生後6か月から | 2歳から18歳まで |
| 回数 | 13歳未満は2回、13歳以上は1回 | シーズン中1回だけ |
| 接種後に多いこと | 打ったところの赤み・腫れ・痛み、熱が出ることがあります | 鼻水・鼻づまりが6割ほどのお子さんに出ます。のどの痛みや咳、数%で発熱も |
| 注意が必要なお子さん | たまごアレルギーのある方はご相談ください | ぜんそくのある方、ゼラチンアレルギーのある方は注射をおすすめします |
| おうちの方への注意 | 特にありません | 接種後1〜2週間は、免疫の弱いご家族との濃厚な接触を控えてください |
| インフルエンザのお薬を飲んだとき | 影響ありません | 効きめが弱まることがあるため、時期をずらします |
| 他の予防接種との間隔 | あけなくて大丈夫です | あけなくて大丈夫です。同じ日に一緒に受けることもできます |
※ 効果の差については、日本小児科学会は「どちらが優れているとはいえない」としています。
フルミストを受けられない方
次にあてはまるお子さんは、フルミストではなく注射のワクチンをお受けください。
- 2歳未満、または19歳以上の方
- 免疫の働きが弱くなるご病気のある方、免疫を抑えるお薬(ステロイドの内服、生物学的製剤、抗がん剤など)で治療中の方
- 脾臓のない方、脾臓の働きが弱い方
- 妊娠中の方
- ミトコンドリア脳筋症のある方
- ゼラチンでアナフィラキシーを起こしたことがある方
- 人工内耳を入れている方、髄液が鼻に漏れる状態がある方など、脳と鼻・耳のあいだのしきりに問題のある方
- 当日発熱のある方、重い急性の病気にかかっている方
注射のワクチンをおすすめする方
受けられないわけではありませんが、注射のほうが安心なお子さんです。
- ぜんそくのあるお子さん、ゼーゼーしやすいお子さん
- ご家族に免疫の弱い方がいらっしゃる場合(接種後1〜2週間、ワクチンのウイルスがうつる可能性があるため)
- 授乳中のお母さんが接種をご希望の場合
- インフルエンザのお薬を最近使った方(ゾフルーザは17日以内、タミフル・リレンザは2日以内、ラピアクタは5日以内。効きめが弱まることがあります)
- 川崎病などでアスピリンを飲んでいるお子さん(接種してよいか主治医にご確認ください)
妊娠の可能性のある年代の方へ
フルミストは生ワクチンです。接種の約1か月前から、接種後約2か月間は妊娠を避けていただく必要があります。この期間に妊娠をご希望の場合は、注射のワクチンをお選びください。
どちらを選べばよい?
日本小児科学会は、2歳から18歳のお子さんについて「どちらを選んでも同じようにおすすめできる」としています。効果に大きな差はありませんので、注射が苦手なお子さんには点鼻、ぜんそくのあるお子さんやご家族に免疫の弱い方がいる場合は注射、という選び方がわかりやすいと思います。
生後6か月から2歳未満のお子さん、妊娠中の方は注射のみとなります。
なお、接種当日に受けられるかどうかは、鼻やのどの状態を含めて診察で判断いたします。迷われたときは、どうぞお気軽にご相談ください。


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